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珍しいものからおいしい物まで食べ物を紹介
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「お前まだそのケータイ使ってんの?」 何度そう言われたことだろう?僕は高校を卒業して、初めて買ったケータイを使い続けてもう十\年になる。 色は黒だから傷はあまり目立たないが、一日に二回は充電しないと電池は持たないし、二つ折り部分はもう完全にに別れてケーブルのみでつながっている。 でも別に何か思い入れがあるわけでもないし、絶対に機種変更をしないと決めていたわけでもない。ただそのタイミングを逃し続けていたわけだ。 そんなある日の朝、僕が目を覚ますと、テーブルの上に小さな鬼のようなヤツが座っていた。 「あ、おはようございます」 小さな鬼は小さな声でそう言った。本来ならばここでもっと驚くべきなんだろうけど、僕は他人に自慢できるほど寝起きが悪かった。だからなかなか事態を飲み込めないでいた。 「あのう・・・君は誰?なんなの?」 「あ、私はケータイです」 「ああ、そう」 そうか、この鬼はケータイなのか・・・。 「ふーん、誰の?」 「あなた様のものでございます」 「え?僕の?だって僕のケータイは・・・」 僕は自分のケータイを探した。昨夜から充電器につないでおいたはずだ。僕は充電器のケーブルをたどった。するとこの小さな鬼につながっている。ちょうどしっぽみたいな格好だ。 「大変長く使っていただいてありがとうございます」 「んん?じゃあ、君は」 「はい、付喪神です」 「ツクモガミ?」 「長い年月を経て古くなった道具には魂や精霊が宿るのです」 「なるほど。じゃあ君は」 「あなたのケータイです。『N502it』の精霊です」 「なるほど、それで黒い色をしているわけだな」 「いえ、僕はクラシックブラックです」 つづく
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